節約にゃんちゅうファミリー

節約生活に励んでいるにゃんちゅうファミリーです。子育てなどの日々の悩みなどを書いています。

<随筆>ニワトリと卵と、息子の思春期

<随筆>ニワトリと卵と、息子の思春期 繫延あづさ著
婦人之友社出版 初版:2021年
読書時間:3時間
オススメ度(5段階評価):4
#子育て#命#ママ友#長崎#飼育#小学生#中学生#高校生#家事
子育てを楽しもうと思っている方にオススメです。家事の合間にこの本を読んで一息ついてはいかかでしょうか。

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はじめに

面白い随筆を読んだので紹介します。ニワトリが中心の話です!面白いです!6年生の長男が親に反抗している場面からスタートします。ゲームを買うのを諦めるからニワトリを飼わせて!こんな冒頭から始まります。

うちにも息子がいます。僕は息子には常識に囚われない人になって欲しいと願っています。そのためにどんな教育や生活をさせるのがいいのか、日々勉強しています。人とは変わった体験が普通でない子にそだてるただ一つの方法と信じています。今回紹介する本は僕にとっての常識を超えた体験している家族の話です。僕の子育てバイブルです。

概要

家畜としてのニワトリを通していのちの大切さ、家族の絆、子供達の成長や自立、お小遣い稼ぎなどなど様々なことが描かれます。
子供はお金、社会的地位をどうしても親に頼るしかありません。子供が持っている最大の自由を「ニワトリを飼うこと」で長男は達成しようとしています。ニワトリのエサは人間の残飯、産んだ卵が安定的に採れるようになれば販売する、卵を取れなくなったら食料とする、一連の流れを考えているのです。なので、ニワトリはペットではなく、あくまで家畜です。実際にニワトリを殺して食べるシーンがあります。家畜として飼い始めたとはいえ、殺すのには躊躇します。そこはやはり親がフォローを入れていました。

要所要所で写真も出てくるので子供の成長、ニワトリたちの様子もあり読みやすいです。作者は写真家なので、写真は綺麗で見応えあります。

内容

序章 2017年 夏

女性の作者が書く随筆です。夫、長男、次男、末っ子(女の子)の家族で、長崎で暮らしています。長男がニワトリを飼いたいと言い出し、トントン拍子で飼育がスタート。
ニワトリの飼育を決めた長男は参観日で「命の重みは等しいか」ということについて、等しくないと発言しました。普段から猟師さんからもらう猪や鹿の肉を料理しているところをみているので命の重みが等しいことに違和感を感じたようです。「経済動物」を理解しての発言でした。

第1章 ニワトリがやってきた

ニワトリを飼いたいと言い出してから、飼育場所、ニワトリを購入する場所など全てがトントン拍子で決まっていきました。長男はご近所さんに声掛けし、小屋の場所などを相談していたのです。今でこそニワトリを飼育している人は少ないですが、以前は珍しくなかったようで協力者が次々に現れました。長男はニワトリの飼育に関する本も沢山読んで知識もつけていました。作者、次男、末っ子はニワトリのことを「コッコ」と名付けて呼んでいました。長男はというとペットじゃなくて家畜だから名前はいらない、最後は絞めて食べるからといった感じです。
長男は12歳でそろそろ親から自立したい年頃。そんな時に「ニワトリの飼育」を始めたことで「ニワトリ」を通して家族の絆が深まっていったようです。

第2章 ニワトリのいる日々

この本には母親の気持ちが正直に書かれている所もあり、共感を得られてるポイントかなと思います。それを紹介します。ニワトリを飼うずっと前、ある日長男と次男は喧嘩します。作者が次男の肩を持ち、長男VS作者となりました。作者は長男に謝らせたかったため、「謝らないなら、もうお小遣いあげない!」と脅しました。謝ることとお小遣いは何も関係はないが、子供を手懐けるために発した言葉でした。しかし、長男はそんな大人のエゴには極端に反抗する性格で、謝らず結果的にこの家ではお小遣いがなくなりました。
何か買う時は親に相談するという形で、自由なお金を得る方法が長男にはありませんでした。ニワトリの飼育を始めたのはお小遣い稼ぎであったことが分かってきます。卵を売って商売しようと企んでいたのです。どのように販売したらいいのかも、役場に聞いていたのです。販売方法はネットにするのか、直販売にするのかも。作者もクレームや責任など考えてどのようにするのがいいのかは一緒に考えていました。
そして長男は子供でもお金を稼ぐ方法をさらに模索していました。ジュニアNISAです。作者は投資については未経験であったため躊躇いはあったようですが、結果的にGOをだしていました。
長男さん!行動力が凄いなと思った章でした。

第3章「食べ物」は「生き物」

僕を含めて「食べ物」が「生き物」であったこと本当の意味で理解している人は少ないと思います。なぜなら生き物を殺し、実際に捌いていないからです。この章では生き物を食べ物にするシーンがいくつか出てきます。
子供たちは小さい時から近所の猟師から頂く肉を捌くシーンを日常で見ています。スーパーで売っているような綺麗な肉とは違い、猪の脚などを作者が捌きます。そんな経験からこの家族にとって「食べ物」と「生き物」の繋がりは身近だったようです。
長男は「生き物」を「食べ物」にする過程を自分で体験したかったのかもしれません。しかし、実際には初めて飼ったニワトリを殺すのか、殺さないのか、食べるのか、埋めるのか、長男には葛藤はあったようです。
結果的には作者と2人で絞め、家族みんなで頂いたようです。鶏卵用としてニワトリを飼い、産卵出来なくなったら頂くという一連の流れはこの章で達成出来ました。

第4章 家族、この儘ならぬもの

この章では家族の変化が書かれています。ニワトリを飼いだして5年が経っています。その間にコロナの流行もありました。長男は高校生、次男も中学生になりました。次男もニワトリを飼い始めます。夫はコロナの影響で会社をリストラされます。家にいることが増えた夫はニワトリの飼育を手伝うようになります。再就職先もなかなか決まらない夫はボソッと一言、養鶏家になって卵を売ろうかなっと。

まとめ

随筆は今まであまり読んだことがなかったですが、面白さを理解出来ました。ニワトリの飼育を通しての子育てという今までになかった内容だったのでとても面白かったです。動物の飼育は子供の感情を豊かにすると聞いたことがあります。生き物と生き、死んだ時は心から悲しんで。この本で家畜として育てたニワトリは何羽か死にましたが、やはり悲しい気持ちはありました。それは上手く生産出来なかったという悔しさだったかもしれませんが、いずれにしても長男は成長しました。
うちの息子にはどんな経験をさせられるのか?そしてどんな経験を求めてくるのか?僕は冷静に受け止められるのか、僕も息子に負けないように成長していきます。