節約にゃんちゅうファミリー

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<小説>ウラヌス セーラームーン、ワンピース、いいえフランスの社会派小説です。

ウラヌス 作者名:マルセルエメ 平山 修訳

出版:ブックコム 初版:2022年翻訳
読書時間:6時間
オススメ度(5段階評価):1時間
1944年のドイツから解放された後のフランスについて勉強したい方にオススメです。映画化もされています。


ウラヌス

1940年代のフランス 時代背景

フランスのブレモン市という小さな町での話。時代は1940年代、フランスがドイツ(ナチ)の占領下から開放された後。戦後まだ落ち着いておらず混沌とした様子が描かれています。最後まで読みましたが1度呼んだだけでは、正直分からないことが多かったです。というのも当時の政治、情勢がわかっていなかったためです。この本を完全に理解できるように読了後、第二次世界大戦中のフランスの状況を勉強しました。とにかくカタカナが多く、単語の意味が分かりにくいです。調べながら読み進めていくと知識は深まっていきます。個人的に大学入試や高校入試でこの題材の問題が出たらかなり手こずるな思いました。

フランスにおけるコラボ、コミュニストレジスタンス、ソーシャリストとは何か解説

第二次世界大戦1940年にフランスはドイツに占領されます。ドイツはヒトラーを頂点とした国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)が政権を握っています。ドイツの支配下にある時、フランスを守るためにドイツと仲良くするのは仕方ないと考える人(対独協力者=コラボともいう)が出てきます。一方でドイツに対抗しよう考える人(レジスタンス)も現れます。レジスタンスとして、コミュニスト(フランス共産党)やソーシャリスト(社会主義者)が反ドイツ運動を行います。ちなみにこの時代に幅をきかせていたのはドイツと仲良くするのは仕方がないと考えている人達(コラボ)だったようです。

その後1944年にフランスはドイツからの占領下から解放されます。するとコラボ狩りというものが始まります。フランスを守るためにドイツと仲良くするのは仕方ないと考えていた人達(コラボ)が次々に酷めに合わされます。

ドイツから解放された後のフランスを描いてるのがこの小説です。

ドイツ支配下時代にドイツと仲良くする立場を取った人(コラボ)VSドイツに反抗する立場をとった人(コミュニスト)という構図が成り立っています。人物紹介にもそれぞれどちらの立場取っていたのか書かれています。

フランスにおけるコラボ、コミュニストなどを理解した上でウラヌスをもう一度読んでみると

この知識を持った上でもう一度読み返してみると、作品全体を理解することができます。
この時代フランスの政権を握っていたのはフランス共産党です。フランス共産党はドイツに反抗する立場をとった人達で形成されています。そのためコラボは悪として社会的なイメージが出来上がっています。
序盤マクシム・ロマンが警察から追われているのは戦時中コラボ(親独)という立場をとっていたからです。そして彼を匿った疑いがあるとして、カフェ店員レオポルドが逮捕されます。レオポルドはコラボとして逮捕されたため、獄中ではかなり酷めにあいます。ドイツ支配下では大半の一般人がフランスを守るため、自分達を守るために多少なりとも親独を示していたはずです。しかし戦後フランス共産党が政権をとると、反独がメジャーな動きになっていきます。
1944年以降、積極的にコラボの立場を取っていた人達は社会的に追い詰められたり、逮捕されます。本小説では逮捕される者、公前で殴られる者、獄中においても酷い扱いを受けるもの様々出てきます。
主人公アルシャンボウはそんな混沌した世界で自分の意見を主張出来ない状況に疑問を持っていきます。群集心理のなかで自己主張するもの者は少ないと。元々コラボの立場を取っていた人も今ではコラボを捕らえる立場になっています。

小説ウラヌスのまとめ

僕はこの小説を2回読みましたが、正直理解できたかは甚だ疑問です。歴史的背景が難しい、カタカナが多すぎる、政治的背景が分からないなどが原因と思います。

しかしこの小説を読むことで上記の歴史的背景は勉強になりました。また、人々の感情面も勉強になりました。同調圧力により個人の意見が決まってしまうのは古今東西どこでもあることだったのです。日本人だけが同調圧力に屈しやすいというわけではなかったのです。この小説を原作とした映画もあるとの事で、そちらの作品にも触れて当時の状況をもっと勉強したいなと思いました。

最後にこの小説を理解できたという人がいたならメッセージ下さい。また、国語力が高く、歴史的知識もあるから理解できるぞ!!という方は購入してみて下さい。


ウラヌス