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今回紹介する本はかなり読み応えのある本です。マーケティング、消費者行動、統計学などあらゆる分野をある程度勉強しておく必要があります。【専門書】といった感じです。さわりの勉強だけと軽い気持ちで手に取ると話が直ぐに分からなくなるので注意してください。
商学、社会学を学んだ事がある方にオススメの書籍です。研究方法など詳しく記載があり、これから研究者を目指す方は1度読んだ方がいい書籍です。
文章構成 消費者の向社会的行動原理 カスタマーハラスメント予防のためのコミュニケーション
研究データを取るにあたり、仮説があり、活用方法、
データのとり方、バイアスの排除の仕方など事細かにまず書かれます。その後結果となるデータが数字として示されます。数字を元に解釈と考察、結論が書かれます。
終始一般的な論文といった感じです。挿絵など一切なく硬い真面目な文章となっています。
目次 消費者の向社会的行動原理 カスタマーハラスメント予防のためのコミュニケーション
第1章 問題の所在と背景
第1節 問題の所在
第2節 問題の背景
第3節 本研究の目的と研究領域
第4節 本書の構成
第2章 エンタテインメント・イベントでの迷惑行為の位置づけ―消費者行動論研究において
第1節 はじめに
第2節 知覚品質と満足の定義と両者の関係性
第3節 アート財における知覚
第4節 エンタテインメント・イベントにおける消費者の知覚品質の形成
第5節 知覚品質評価メカニズムの考察
第6節 本章の含意と限界
第3章 消費者の向社会的行動の先行要因に関する先行研究と限界
第1節 はじめに
第2節 社会的交換理論による先行要因の説明
第3節 個人の合理性による先行要因の説明
第4節 社会集団に関する理論による先行要因の説明
第5節 消費者の向社会的行動に関する先行研究の限界、先行要因に関する新たな方向性
第4章 消費者の個人特性に関する先行研究レビュー
第1節 はじめに
第2節 消費者行動予測に有効なパーソナリティの条件
第3節 初期のパーソナリティ研究
第4節 心理特性に基づくパーソナリティ分類
第5節 消費者のライフスタイルに基づくパーソナリティ分類
第6節 消費者行動予測のために援用するパーソナリティの条件
第7節 パーソナリティ援用の限界と将来の研究の方向性
第5章 アタッチメント理論を援用した消費者行動研究の方向性
第1節 はじめに
第2節 ブランド・アタッチメント概念におけるアタッチメント理論の援用
第3節 Bowlby のアタッチメント理論とその拡張
第4節 消費者の向社会的行動予測におけるアタッチメント理論の援用
第5節 アタッチメント・スタイル援用の意義―エンタテインメント・イベント消費者の分析において
第6節 アタッチメント・スタイル援用の限界
第6章 消費者の向社会的行動の先行要因の実証
第1節 はじめに
第2節 仮説の設定―アタッチメント理論に基づく消費者の向社会的行動
第3節 実証―状況想定法による質問紙実験
第4節 結論―交換的関係・共同的関係を統合した理論構築の可能性
第7章 中国における消費者の向社会的行動の先行要因の実証
第1節 はじめに
第2節 仮説の設定―他者観のポジティブさに着目して
第3節 実証―中国都市部在住者を対象とした質問紙実験
第4節 結論―日中質問紙実験結果の差異と共通点
第8章 本研究の意義と限界、今後の研究課題
第1節 本研究の意義と限界
第2節 今後の研究課題
概要 消費者の向社会的行動原理 カスタマーハラスメント予防のためのコミュニケーション
第1章では、問題の所在としてカスタマーハラスメント問題の現状を述べるとともにエンターテイメント・イベント産業で経済に大きな影響を与えいることを指摘しています。そして、エンターテイメントンターテイメント産業をサービスとして捉えた時の今日的な特徴も記述してあります。
第2章では、消費者行動研究の中でのエンターテイメントンターテイメント分野の研究の位置づけを確認したうえで、その枠組みの中でカスタマー・ハラスメント問題が、顧客満足の先行指標となる知覚品質に対して、どのように負の影響を与えるか確認しています。
第3章では、消費者の向社会的行動の先行要因に関する選考研究を概観しています。主に寄付、贈与、倫理的消費、他の消費者への情報提供を題材としたものが存在していますが、研究による成果と限界について示唆したうえで、本書が目指す理論構成の方向性を示しています。
第4章では、第3章で示した方向性を踏まえて消費者の個人特性と消費者行動の関連性に関する研究を概観した上で類型化し、本書として具体的にどのようなアプローチを摂るかを述べています。その結果、発達心理学のアタッチメント理論に基づき、アタッチメント・スタイルと向社会的行動の解明する研究を検討しています。
第5章では、近年の心理学のアタッチメント理論に関する研究をレビューしています。その上で、アタッチメント・スタイルを援用した文献群の特徴とは何かという研究課題に取り組んでいます。
第6章では、研究の端緒としての仮設実証として、近年の認知神経学の治験を援用しながら、仮説を構築し、実験した結果について記述しています。
第7章では、仮説の頑健性と一般性を高めるべく、第6章で実施した実験結果を基に棄却された仮説を除外し、新たな仮説を設定して中国人を対象に実証しています。
第8章では、本書の成果をもとに示唆を行うとともに残された課題を指摘し、そこから得られる今後の研究の方向性を示しています。
まとめ 消費者の向社会的行動原理 カスタマーハラスメント予防のためのコミュニケーション
マーケティング、消費者行動などの文系の知識を全く持ち合わせていなかったので、とても難しく感じました。内容理解、自己啓発のために2回読みましたが、やはり難しかったです。
一方、統計のとり方や数字の取扱いついては勉強になりました。仕事で臨床研究などもしているので今後にまた参考にしたいと感じました。
第1章、第2章で取り扱う問題の現状についておさらいし、第3章、第4章、第5章で研究のデザインやバイアスなどを洗いだしています。第6章で結果を出し、第7章で再試験しています。そして第8章で今後の展望を述べています。
論文の作り方で今後に役立てていけたらいいなと思っています。