節約にゃんちゅうファミリー

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日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み  ヴィオレッタ・ウドヴィク


 

今回取り上げる本は日本とウクライナとの関係を述べた本です。現在ウクライナはロシアの侵略により大変な状況となっています。広島出身の私は戦争は反対です。その上で、ウクライナとロシアの戦争で被害に遭われた方々に心からお悔やみ申し上げます。戦争が終わることを心から願っております。戦争について述べるのはこの冒頭だけにします。

ところで皆さんは「ウクライナ」のことで知っていることはありますか?海外サッカーが好きな私はACミランなどで活躍したシェフチェンコをすぐに思いつきます。相撲好きな人は第48第横綱大鵬でしょうか。音楽やバレーではキーウ・バレー、キーウ・オペラ、キーウ国立フィルハーモニー交響楽団も有名です。そして、コサックダンスもウクライナの文化です。
ウクライナ親日の国です。ウクライナについて少しでも理解してもらえるように、政治的な所から文化的なところまで私が学んだことを共有していきます。

<文章構成 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

挿絵は少なく、白黒で構成されています。本書の前半は国際社会におけるウクライナの立ち位置、後半は日本との関係性歩みについて記載されています。
ウクライナの歴史的、政治的背景、他国との関係性などは少し難しいです。年号や融資されている金額などを事細かく書いているので読みにくいと感じたのかもしれません。ざっくりとした年表などがあれば読みやすかったかなと思います。ソ連からの独立、チェルノブイリ原発事故、核爆弾放棄など知っていると読みやすかった事項については下記にまとめています。
バレーやオペラなどの文化的な内容は何となく知っていることもあると思うので読みやすいかもしれません。
本書は全体的に知らなかったことが多かったので読むのに時間がかかりました。

<目次 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

第1章 初めての接触およびソ連時代における交流と協力
第2章 日本とウクライナの政治対話
第3章 安全保障・防衛協力
第4章 経済関係および協力
第5章 核の安全および科学技術協力
第6章 文化・スポーツ・人道関係

<ざっくりした年表 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

1986年チェルノブイリ原発事故
1991年ソ連からの独立
1994年核兵器放棄
2014年ロシアによるクリミア併合
2019年政治家としての経験のない、コメディアンのゼレンスキー氏が大統領就任

ウクライナの文化 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

コサックダンス、キーウ・バレー、キーウ・オペラ、キーウ国立フィルハーモニー交響楽団ボルシチ料理

ユネスコ世界遺産 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

文化遺産6ヶ所、自然遺産が1ヶ所、無形文化遺産には、ペトリキウカ塗り、コサックの歌、コシウ陶器、オルネク、ボルシチ料理

被爆国としての関係性 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

ウクライナと日本のみが世界での被爆国です。チェルノブイリ原子力発電所事故は広島に落とされた原爆の400倍もの放射線物質量とも言われています。事故後日本は金銭的支援、研究支援、治療支援など多岐にわたる支援を行いました。
東日本大震災の時はウクライナによる支援がありました。

核兵器をめぐる問題 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み

ウクライナは1991年ソ連から独立しました。その際、核兵器を継承しました。1994年、日本を含む様々国の意見を取り入れ核兵器を放棄します。その際、核保有国である英米露がウクライナの主権及び当時の領土を尊重し、ウクライナに対する脅威や武力行使を控えるということでした。

<ロシア・ウクライナ戦争 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

2014年、ロシアはウクライナクリミア半島に侵攻して占領し、更にウクライナ東部のドネツク州及びハーンシク州に武力攻撃を行い、ウクライナの主権と領土を侵害しました。
日本は「力による現状変更は認められないという観点で、ロシアのクリミア併合は違法な状況が続く限り、日本は制裁を継続する」と述べアジアで唯一、退露制裁を行っています。

<コメディアンゼレンスキー氏大統領就任 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

2019年、ゼレンスキー大統領は停戦、クリミアの奪還及びウクライナの国内改革を最重要課題として掲げました。また、他国の強みを指摘しながら、「我々はサッカーではアイスランド人に、母国防衛ではイスラエル人に、テクノロジーでは日本人にならなくてはならない。みんなが違いを超えて幸せに暮らすためには、スイス人になる必要がある。」と発言しました。

<貿易など   日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

ウクライナは地球の1/3の黒土地帯が広がり、穀倉地帯を有する国です。世界で2番目に大きい穀物輸出国です。大麦の輸出は世界2位、トウモロコシは世界4位、小麦は世界5位です。蜂蜜も有名です。魚類の輸出も多いです。

日系企業の進出も盛んで、トヨタ、ホンダ、パナソニック三井物産JTなどがあります。

<まとめ 日本とウクライナ 二国間関係120年の歩み>

ウクライナの歴史や対外国との関係を考える際に日本との関係がこんなにも深いとは知りませんでした。そして親日ということも驚きでした。以前トルコに行った時、日本人というだけで歓迎されました。その時日本人であることが誇れることなんだと感じました。この本を読むとその時と同様の感覚になりました。失われた30年と日本では言われていますが、まだまだ捨てたものじゃないです。私たち若い世代が時代を引っ張っていき、「世界に誇れる日本」を作っていけるように精進していきたいです。