節約にゃんちゅうファミリー

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心理的安全性がつくりだす組織の未来


 

本書は会社で働くすべての働く方に実りのある本です。経営者は社員の本音はどうなのか、チームリーダーはメンバーをまとめいくテクニックとは、若手社員は勇気を出してしっかり本音で意見を述べる事の重要性が学べます。そしてこれから社会に出ていく学生さんは今の日本が直面している会社の問題点を学ぶことができます。

会社で心理的安全性が保障されていると「社員が気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられます。」この心理的安全性を保障する方法が終始本書では書かれています。

〇文章構成 心理的安全性がつくりだす組織の未来

各章の文末にまとめがあるため、各章を読み始める時と読み終わった時に見ると内容がより頭に入ってきます。

第1章 心理的安全性とは何か

第2章 欧米と日本の組織づくり

第3章 日本の精神文化とは

第4章 日本における心理的安全性の高め方

第5章 自分の心理的安全性の高め方

第6章 心理的安全性を高めた組織変革事例

第7章 経営者インタビュー

アメリカのフォード、ドイツのフォルクスワーゲンをはじめ、日本のトヨタタニタなどの有名な企業の実例が紹介されています。

3時間あれば読み切ることができます。ホワイトカラーのビジネスマンであれば、頭の片隅には入れておきたい内容です。

〇各章をでまとめる 心理的安全性がつくりだす組織の未来

第1章 心理的安全性とは何か

心理的安全性とは「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことです。心理的安全性が担保されないと、人は無意識のうちに4つの自己印象操作を行います。

①無知だと思われたくない→必要な事でも質問せずに相談もしない

②無能だと思われたくない→ミスを隠すし、自分の考えを言わない

③邪魔だと思われたくない→助けを求めず、不完全な仕事でも妥協する

④否定的だと思われたくない→議論をせず、素直な意見を言わない

第2章 欧米と日本の組織づくり

欧米の経営の特徴として1910年代のフォードが例に挙げられています。経済合理性の観点から日本とは対照的です。その当時高価で一般的でなかった自動車を大量生産で低価格で販売しました。農民でも購入できるように、そして労働者に多くの賃金を払うように、社会全体にお金がいきわたるようにフォードは焦点を当てたのでした。そこには日本的な「徳」や「三方良し」という考えはなく、如何に経済を回していくか、それだけです。

一方、日本の経営の特徴は家族主義。いったん会社に就職すると定年まで勤めあげることが当たり前とされてきました。個人はプライベートよりも仕事を優先し、会社に忠誠を尽くす代わりに定年までの生活が保障されます。

第3章 日本の精神文化とは

日本の文化は「恥の文化」と本書では解いています。恥の文化とはその場(会社での場や友人での場、家族での場)での役割から逸脱した行為を恥ずかしいと感じる文化のことです。また、「恩」の文化でもあります。生まれながらに親に対して「恩」を背負っています。アメリカの文化では親からは無償の「愛」を受けていると捉えます。日本人は「恩」を感じているので一生かけて返していこうとします。アメリカ人の無償の「愛」は返していくという考えはありません。

日本人の根底には「恩と恥と義理」というものがあるのです。

第4章 日本における心理的安全性の高め方

Z世代を受け入れるにあたり、現在現場のリーダー格であるバブル世代は考え方を改めなければならない。世代については第2章で説明があります。団塊の世代、バブル世代、就職氷河期世代、ゆとり世代、Z世代。

上司である自分は部下よりよ偉いから部下は指示に従うべきという観念はZ世代には通用しません。ゆとり世代、Z世代は対等な関係を望んでいるのです。

心理的に安全な組織とは①情報共有がスムーズで透明であること②お互いに気兼ねなくフィードバックが出来ること③操作主義にならないこと(人に操作されていると気が付くとそれに反発するように心理が働きます。)

心理的に安全な会議を行う方法は①議題と目的を事前に共有する②アイスブレークする③タイムスケジュールを管理する④今感じていることをメンバーに言葉にしてもらう⑤役割と行動計画の決定

第5章 自分の心理的安全性の高め方

心理的安全性を鍛える方法として瞑想が書かれています。瞑想することで集中力やリーダーシップの力が鍛えられるようです。実際の方法なども記載されているので参考になります。

ビルゲイツジョブズ松下幸之助が実践していました。

第6章 心理的安全性を高めた組織変革事例

作者がコンサルとして入った4つの事例が紹介されています。

硬直した組織の変革、ビジネスモデルの転換、部門間の壁の打破、組織変革は意識改革

具体的な会議の方法や各社の考え方が書かれて参考になります。

第7章 経営者インタビュー

滝沢ハム株式会社、伊那食品工業株式会社、株式会社ネットプロテクションズ、株式会社タニタの社長のインタビューです。それぞれの社長が風通しのよい雰囲気どのように作っているのか学べます。

〇まとめ 心理的安全性がつくりだす組織の未来

①ルールを明確化すること

日本人お得意のその場の雰囲気を感じてルールを作らないはなしです

②働く意義を考えること

人は幸せを求めます。仕事の幸せを担保するのが、「働きやすさ」と「働き甲斐」です

③メンバーへの関わり方

自分含めたメンバー個人の良し悪しのレッテル貼りをやめます

④自分のあり方

自分が平常心でいられるように、心の平穏を瞑想などで鍛えていきます。

総括すると非常に読みやすいビジネス本でした。