はじめに
今日は若手薬剤師、研修医向けです。感染症の勉強をしたいけど何をどのようにして勉強したら良いかわからないという方に向けて書きます。感染症といってもコロナウイルスとかではなく、肺炎や尿路感染などの細菌感染についてです。
本を5冊紹介します。最後の1冊は辞書です。
50時間勉強するだけで、見える景色が変わってきます。
絶対わかる抗菌薬 はじめの一歩
抗菌薬の基本を勉強できます。抗菌薬のスペクトルや特徴的な菌について学べます。とにかく基本が詰まっています。
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感染症非専門医・薬剤師のための感染症コンサルテーション
少し古い本です。症例ベースの本になります。ドクターが薬剤師に求めているもの、カルテの書き方も一緒に学べます。感染症内科のドクターが書いており、コンサルテーションを受ける面白さと難しさが分かります。肺炎、尿路感染、胆管結石など院内でよく相談を受ける内容が記載されています。
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感染症レジデントマニュアル
こちらも少し古い本ですが、辞書として使用していました。各感染症の病態、菌の特徴について詳しく記載されています。グラム染色の絵など一歩踏み込んだことも書いてあります。抗菌薬の耐性確率など書いてあり勉強になります。膿瘍の治療方法や骨髄炎などの治療についても書かれています。
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感染症プラチナマニュアル
各種ガイドラインなどを分かりやすくまとめてくれています。ポケットに入るサイズなので持ち運びも便利ですね。
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この4冊があれば基本の勉強は出来ます。
ここまでで約15000円です。僕は4冊目のプラチナマニュアルはすべては読んでいませんが、ポケットには入れていました。基本3冊目までしっかり読み込めば抗菌薬については結構自信が付きます。
抗菌薬の組織移行性を公表しているサイトがあります。整形病棟を担当しているときはよく見ていました。骨移行の良い抗菌薬を調べるのに活用していました。
→抗菌薬インターネットブック (antibiotic-books.jp)
そしてさらに勉強を進めていくのであれば、各ガイドライン、感染症診療マニュアルなどを使うといいと思います。
最後に感染症診療マニュアルを紹介します。
感染症診療マニュアル
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この本は2000ページくらいあるので辞書です。ほとんどの感染症を網羅しているのではないかと考えてしまいます。治療法は各ガイドラインをベースに書かれています。診断方法や治療期間なども参考になります。13000円くらいかかります。
まとめ
感染症に携わるうえで僕は全身管理に重点を置いています。抗菌薬が正しくても診断が正しくても治療は上手くいきません。血糖コントロール、バイタル、食事量、リハビリの進捗、バルーンの有無、せん妄の有無など総合的に考えないといけません。全身状態を管理するのに感染症の勉強が一つのきっかけになればいいなと思っています。