<小説>ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海作
読書時間:3時間
オススメ度:5
#転職#仕事
仕事を頑張りすぎて少し疲れてしまった方におススメです。
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はじめに
僕は前職5年、現職8ヶ月です。現在仕事に躓いています。労働時間の長さ、仕事のやりがいのなさ、相談が出来る人がいない、など今の仕事で完全に満足できているは言えない状況です。そんな僕に優しい気持ちでそっと寄り添ってくれる本があったので紹介します。
概要
社会人1年目で所謂ブラック企業に勤め病んでしまい自殺を考えていた隆。そんな隆の前に小学校の同級生を自称するヤマモトが現れます。隆を自殺から救い、遊びに連れ出し、会社を辞めるように諭してくれます。ヤマモトとは一体何者なのか?なぜ隆を助けてたのか?隆はヤマモトと出会ってどのように変ったのか?隆は会社とどのように向き合うのか?人生は誰のためにあるのか?何のためにあるのか。きっと読者の心をそっと休ませてくれる、そんな小説です。
内容
社会人1年目の隆。サービス残業当たり前、帰宅後や休日に上司から仕事の電話が掛かってくることも度々。所謂ブラック企業で働いています。入社1ヶ月で現実逃避のために作った曲が下記。
青山 隆作
月曜日の朝は、死にたくなる
火曜日の朝は、何も考えたくない
水曜日の朝は、1番しんどい
木曜日の朝は、少し楽になる
金曜日の朝は、少し嬉しい
土曜日の朝は、1番幸せ
日曜日の朝は、少し幸せ。でも、明日を思うと一転、憂鬱。以下、ループ
ある仕事終わりの月曜日、駅のホームで上司から電話がかかってきます。ろくでもない電話だと思った隆はそれを見て自殺することを決心します。そんな隆の腕を引いて助けてくれた人物こそヤマモト。「久しぶりやな!おれや!ヤマモトや!小学校以来やな!」これが隆とヤマモトとの出会いになります。連絡先を交換し、仕事終わりには飲みに行き、週末には二人で遊びに行くほどの友達になります。大学を卒業後、ろくに友達もおらず学生時代の友達とも疎遠になっていた隆にとって、ヤマモトは現在唯一の友達です。仕事でうまくいったこと、仕事の愚痴もすべてヤマモトは受け止めてくれました。
私生活が少しずつ安定してきた隆は仕事でも良い結果が付いてきます。しかしそれも束の間、とんでもないミスが発覚し立ちなれなくなり隆は2度目の自殺を図ろうとします。休日に会社の屋上で。そしてまたしても、ヤマモトが救ってくれます。
ヤマモトは一体どんな言葉をかけるのか?ヤマモトはなぜ隆を助けたのか?ヤマモトには一体どんな過去があったのか?隆は、この後会社とどのように向き合っていくのか?
最後まで目が離せない一冊になっています。
まとめ
みんなにヤマモトが現れてくれるわけではないです。ですが、あなたが誰かのヤマモトになることはできるかもしれません。そっと差し出した手が誰かの命を救うかもしれません。
「会社を辞めるのは死ぬことよりは簡単。」
人生は自分と本当に自分を大切にしてくれる人のためにあります。そして、人生には勝ち負けはありません。仕事を辞めることは難しいかもしれませんが、自殺することよりはとても簡単です。大切な人が自殺した時、残された人はその思いを一生抱えたまま生きていかなければなりません。
時には逃げることも一つの選択肢になることをこの小説は教えてくれました。頑張り過ぎて疲れてしまったら、少し休むのもありなんですよ。と教えてくれます。