この本はニーネというロックバンドの詩集です。
文章の構成としては年代毎に曲の詞が書かれています。アルバム未収録の曲を含め131曲の詞が書かれています。本書の真ん中あたりで、メンバーの写真やCDジャケットが載っています。あとがきには、ニーネの歴史が書かれています。1969年の最初のメンバー誕生から2023年まで。メンバーが音楽を始めたタイミングやニーネ結成。曲を発表した当時どのような心境だったのか。メンバーの脱退から再開まで。
1997年~2002年 破竹期
2003年~2004年 混沌・ブラックニーネ期
2005年 暁暗期
2006年~2008年 夜明け期
2009年~2013年 再会期
2014年~2017年 第二混沌期
2018年~2019年奮闘期
2019年 展開期
2020年~2022年 コロナ・再構築期
日常を描いたニーネの詞はうなずけるフレーズが沢山あります。自分の為に書かれたんじゃないかと思えるくらい感情移入できるものも多くありました。優しく包み込んでくれるフレーズには心が救われます。
僕が気に入った詩を紹介します。
「よろこび」
この詩では何気ない日常を過ごせることの幸せが書かれています。時系列的におそらくこの直後に第二混沌期に入るのでメンバー同士で色々あることを考えると少し切なくなります。ご飯を作って食べて、洗濯し、笑ったり、泣いたり、怒ったり、寝て起きて幸せな毎日が流れていく。こんな状態がいつまでも続くといいなという思いで使った曲なのでないでしょうか。
「反省」
世の中にはいいこともあるけど嫌になることもあるよ
不平や腹を立てる割に感謝することを忘れてしまったりいじけていてもいいことは無いよ
いじけていてもいいことは無いよ。そんな時間が必要な事もあるけど。いずれ動き始めなければいけない
最後に一歩前進できるなら、落ち込んだり、いじける事も悪くないよと言ってくれているような気がしました。人間誰でもネガティブになります。それを動き始めることが出来れば、いいじゃないかと肯定してくれているので僕にはすごく刺さりました。
僕自身ニーネというバンドは知りませんでした。この詩集を読んで聞いてみると元気が出る曲も多く好きになりました。落ち込んだ時に聞いてみたい曲もありそうで音源を探すのが楽しみです。アルバム未収録の曲もあり、ライブに行かないと聞けないのか??と考えています。
落ち込んだ時だけではなく、人生の節目節目で読み返したくなる本だと思いました。